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July 3-13, 2025  |  12:00-19:00

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出展作家:奥天昌樹、金炯紀、サガキケイタ、西村陽一郎、吉岡雅哉

会期:2025年7月3日(木) - 13日(日) 12:00-19:00 月曜休​​

会場:みんなのギャラリー / 東京都台東区東上野4-14-3 2F​​

企画:田森葉一(みんなのギャラリー)

​タイトルロゴ:やまもとりの

●グループ展『環世界』の続き 文:田森葉一(みんなのギャラリー) ​2025年3月に開催したグループ展「環世界」。素材、技法、様式の異なる4人の作家の作品を1点または1組ずつ展示し、各作家が表現する4つの作品世界を一つの空間に展開した。それぞれの独立した世界が並ぶ、緊張感漂う空間にも、互いに語り合ったり、響き合う瞬間があった。見る側もまた、5つ目の世界を有する存在として作品に触れ、感性や理性の面で、4つの世界と自らの類似点、あるいは相違点が意識されたとしたならば、そのセッションのような時間は毎回、この展示空間を異なる景色に変えていたはずだ。 セッションが起こる度に、空間が変わる。それが環世界の在り様なのだとすれば、第一回の展示で既に数多くのテイクが重ねられ、その度に異なる空間が作られていたことになる。それならば本展の第二弾は、例えば「環世界2」などとは呼ばず、引き続き「環世界」というタイトルで続けてみたいと思う。 話は逸れるようだが、「環世界」の続きを構想するなかで、こんなことを考えた。 私が学生の頃、バイト先の目の前にレコードショップがあって、終業後によく立ち寄った。当時はロックが好きだったが、ジャズコーナーに寄ったりもした。ワールドミュージックのコーナーも気になったし、ヒップホップやエレクトロにも興味があった。 当時を思い返すと、一つのジャンルを深堀りするよりも、新しい音楽に出会いたかったのだと思う。それで様々なジャンルに手を出した。知らないジャンル、生まれていない時代の音楽は、出会う度に違う世界へ入り込んだように思えた。そんな放浪と雑食によって築いた自らの音楽体系、それは随分とちぐはぐなものだと思う。 Spotifyのような配信サービスが当時あったならと思うことがある。定額で聴き放題なんて、夢のような話だと、当時の自分は思ったに違いない。お店では手が出せずにいたあれもこれも、60年代を、70年代を、80年代を網羅していけば…自分のちぐはぐな音楽体系を、もっと隙間なく、深く、広いものにすることができたかもしれないと。 今は、そう、まさに夢の中にいることになる。スマホの中にメガストアが入っているのだから。凄い時代になったものだと思う。それで、自分のちぐはぐな音楽体系はどうなったのか。深く、広いものになったのか。あらゆる音楽をすぐ再生できるようになり、実際に恩恵も受けてはいるが、自身の体系については結局のところ、そう大して変わっていないようにも思う。 実空間のお店に入ることがすっかりなくなった今、夢の中がいかに広かろうが、手がかりとなるのは、自らの内に築いたこれまでの体系だ。たとえちぐはぐな形をしていても、それは大きな拠り所になっている。それは一瞬で作れるものでもなければ、簡単に消え去るものでもない。あるとすれば、現在の続きがあるのみだ。 その体系に続きとなる新たなピースが加わるとき、それは大抵、別の体系を持った誰かによってもたらされることが多い。音楽に限らず、人の本棚を見せてもらうときなどもそうだが、そこで必ず内容の違いを発見する。誰もがスマホにメガストアを持つ時代、その人だけしかアクセスできないものはそう多くないはずだけど、人が辿ってきた道のりに、一つとして同じものはない。 世界はいかに違っていて、どこで重なり合うのか。思考はここで再び、環世界の展示空間へと戻る。視覚的な世界もまた広大で果てしない。音楽と同様に、手元のスマホからインターネットで、今やあらゆるイメージにアクセスすることができるかもしれない。けれども、環境があるだけでは、その先に続く道を進むことは難しい。世界に広く、深く出会うには、今を手がかりに、その感触を頼りに、続く先へと進んでいくしかない。だから今回も、世界の新たな一面は、彼らがもたらし、出会う私たち一人一人がまた、さらにその続きを作り出すに違いない。

​​Artists

奥天昌樹

Masaki Okuten

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2012年武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻卒業。

線の成り立ちや集合的無意識など原初的なテーマで絵画、インスタレーション表現を用いて、芸術が人々にもたらす事象の探求をしている。人々が抽象画に意味を見出そうとする習慣そのものを揺さぶり、ミニマルで意味化されていない痕跡に、新しい価値や意味を見いだすことを試みている。

​近年の主な展示に、GINZA SIX 蔦屋書店、代官山 蔦屋書店、Gallery10 TOHでの個展、J12 contemporary art by Jason(香港)、Gallery Etherでのグループ展など。GEISAI#18ホルベイン賞(2013)、第3回Dアートビエンナーレ優秀賞(2014)、viaart2009 KURATA賞(2009)を受賞。

■ 出展作品情報、ステートメント、略歴(PDF)

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Masaki Okuten

金炯紀

Hyeongki Kim

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​美大修了後、祖母の家業であ​った飲食業に従事しながら制作する。紙に描くドローイング作品を中心に、母の実業であった服飾の制作にも取り組む。在日コリアンとして生きる日々の状態が、甘​日本⇔辛日​本の両端​を揺れ動き、無数の線​が現れる。線は画面の中を浮遊しながら、時に文字を形成し、意味を成してはまた解体する。

現在当サイトにてWeb連載「レキシヲシキレ|金炯紀グラフィティ日記」を公開中の他、SNS連載「きょうの観音さま」を公開中。

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サガキケイタ

Keita Sagaki

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西洋名画や浮世絵など一度は目にしたことのあるイメージを無数のキャラクタードローイングの集積で再現した作品を、香港、台湾、ドイツなど国内外で発表している。
幼少期に体験した曼荼羅の影響から、生と死、聖と俗、秩序と混沌など二項対立の概念を画面上に共存させることで、両者のボーダレス化を試みる。

第13回岡本太郎現代芸術賞、シェル美術賞(2007、2008)、第25回上野の森美術館大賞展などに入選の他、出版・メディア出演多数。

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西村陽一郎

Yoichiro Nishimura

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美学校写真工房修了。撮影助手を経て 1990 年に独立し、フリーランスの写真家として活動を始める。カメラを使わない 写真技法であるフォトグラムやスキャングラムを中心に、植物や水、昆虫、ヌードなどをモチーフとした作品を発表している。


20promising photographers VOL.2(パルコギャラリー)、ヤング・ポートフォリオ(K’MoPA)、’99 EPSON Color Imaging CONTEST、PHILIP MORRIS ART AWARD 2000、TPCCチャレンジ2003(東京写真文化館)などに入選。作品集『青い花』が第58回全国カタログ展にて国立印刷局理事長賞及び金賞受賞。

写真集「青い花」特設ページ

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吉岡雅哉

Masaya Yoshioka

日常の景色、出来事、人物を対象に、その影響から生まれたイメージを長年に渡り描き続けている。青の時代、お月見、思春期、庭いじり、西海岸、コンビニなど、作中のイメージ・世界観は繰り返し描かれ、完結をみない長編小説のようにシリーズ化している。

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受賞 トーキョーワンダーウォール賞(2008年)、とよた美術展'07審査員賞(2007年)、シェル美術賞 蔵屋美香審査員奨励賞(2006年)、交換する種 Vol.2 アドバイザー賞(2006年)
 

The Jean Pigozzi Collection Of Contemporary Japanese Art​​

​展示・受賞歴

画集「思春期」Vol.1-3

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