ペンギンの島

アナトール・フランス  訳:近藤矩子

 

白水社、2018年3月14日

ゲストの選書理由

千円札が有象無象のキャラクターでつくられている……お金に振り回されがちな私たちにとって、ハッとさせられる作品だと思いました。赤瀬川原平さんの千円札裁判もモチーフになっていると聞いて思いついた本が、『ペンギンの島(アナトール・フランス)』。  

 

聖者が間違えてペンギンに洗礼をほどこしてしまい、ペンギン人から成り立つペンギン国が誕生するところから物語がスタート。裸のペンギン人に服を着せる悪戦苦闘から始まるところからして、おもしろすぎる。土地の所有権争いがあり、階級社会と人種差別が生まれ、革命が起きる……フランスの歴史をパロディにして物語は進んでいきます。この本に詰まっている、人間が繰り返してきた愚かな行為への痛烈な批判と皮肉に笑うしかない!  

 

日々の暮らしのなかで、お金に振り回されがちな私たちですが、この本の読後は、少しだけそんな自分たちを俯瞰して見られるかもしれません。  

 

石川歩 Ayumi Ishikawa

編集者・ライター。 モータースポーツ系出版社から不動産ポータルサイトの編集者を経て、フリーランスに。 主にスポーツ・暮らし関係のメディアで編集と執筆を手がけつつ、分野外の人物インタビューも行う。

この本の対象になったアート作品について

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