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日本代表を、生きる。 「6月の軌跡」の20年後を追って
増島みどり
文藝春秋、2018年6月18日
ゲストの選書理由
この作品に描かれているのは、各国の代表選手たち。その選手たちは、多様なキャラクターの集合体で描かれています。
私は、バスケットボールを中心にプロスポーツ選手にインタビューをしています。日本代表選手のインタビューでは、国を背負って戦うことにストーリーを求めがちですが、向き合って感じるのは、競技を考え抜き、普通の人よりも練習を長く続けて精一杯にがんばっている一人の人間だということ。競技の話題から離れると、彼らはチャーミングな一面を見せてくれます。 この作品を見て、人をつくっている要素は様々にあり、それは代表選手も同じだと思いついたところから、国の代表をテーマにした本を選ぼうと思いました。
『日本代表を、生きる 「6月の軌跡」の20年後を追って(増島みどり)』は、1998年のサッカーフランスワールドカップを戦った選手とスタッフを丁寧に取材し、日本代表を背負うことの重さをつまびらかにしています。国を代表して戦うという体験は、ほとんどの人は一生のあいだで経験することがなく、戦った本人たちにしかその本当の重さは理解できないでしょう。でも、この本は、選手に寄り添うようにその重さを感じられる読書体験になると思います。
石川歩 Ayumi Ishikawa
編集者・ライター。 モータースポーツ系出版社から不動産ポータルサイトの編集者を経て、フリーランスに。 主にスポーツ・暮らし関係のメディアで編集と執筆を手がけつつ、分野外の人物インタビューも行う。
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