cobird / コバードの本棚|cobird's Bookshelf
私は現在、コラージュ作品を中心に発表しています。紙に印刷されたイメージを 縦横の短冊状にカッターで切り刻み、接着剤を使わず手作業で織物の組織のように1本ずつ交互に差込む事で作品は形成されます。
イメージはそれぞれ横糸であり空間、縦糸であり時間を意味し、物理の基本となる2つの要素を私の肉体と精神においてコントロールし、作品が生まれます。
すべては唯物、唯心をのみこみ
そこに留まろうとする。
しかし儚い存在だと思うのです。そして、愛おしく感じるのです。
私の作品はこの様な考えと私的な思いを込め、イメージ織り上げ、そこに留まります。
今回はコラージュを施したブックカバーを制作し本とセットしました。
どんなブックカバーかは各商品ページを御覧ください。
Website : https://www.cobirdweb.com/
Instagram : cobird1432
現代オカルトの根源のためのプレイリスト
私コバードは布帛のようなコラージュ作品を主に発表しています。
今回は本棚のために選書と選曲を行いました。
選書した本をイメージした音楽をsoundcloudで選び各18楽曲のプレイリスト化。そのプレイリストの曲名を印刷したパーツを1本づつ?1曲づつ?ブックカバーに差し込んであります。カバー表紙下のQRコードからプレイリストにはアクセスできます。
私のつくるコラージュは、縦横に紙を切り裂いてからパーツを組み合わせ構成されます。だから本物の布地のように簡単に横糸パーツをほどく(外す)ことができます。
プレイリストを聞きながら読書していただき、皆様のイメージに合わず気に入らない曲があれば、1本づつ抜き取ってゴミ箱へ捨てて頂いてもOK。
我々が経験している人と人とが触れ合うことの出来ない世界。
時間と空間が重ならなくても、どこかでこの本を手にした誰かが、その質感や感覚を共有して頂けたら嬉しいなと考えながら制作しました。
1本も抜き取られないことを祈りながら笑
「現代オカルトの根源 大田俊寛著」
著者のオウム真理教の研究から発し、新興宗教とは?じゃあ元となるオカルト思想ってそもそもどっから来たのか?という疑問から、神智学やシュタイナー、ニューエイジなどわかりやすく時系列に解析されている本です。
怪談から入ってスピリチュアル全般に、興味を持ち始めた僕にはもってこいの入門書でした。有名なオカルト用語が歴史を紐解きながらキチンと説明されいるのも面白いです。
いわゆるスピ本ではありませんのであしからず。
遠野物語のためのプレイリスト
「遠野物語 柳田国男著」
日本民俗学の父として御存知かとは思いますが、もと官僚の著者がおそらく農地開発に関する出張等で触れあった東北の地元民から聞いた話を元に書かれています。
実は昨今、現代怪談のオリジネーターとも位置づけられていて、妖怪や幽霊のディテールはどっかの怪談話で聞いたことのあるような構成と気づく点もちらほら。現代口語版もありますが断然こちらの原文バージョンをおすすめします。なまりや当時の言葉独特の音質みたいなものが、おどろしさ生っぽさに更なるスパイスを加えてくれます。
業界ではバイブル視されてる割には短くてさらっと読めます。
同録の山の生活は僕は読んでません。もし面白かったらご一報ください。
パルプのためのプレイリスト
「パルプ チャールズ・ブコウスキー著」
チャールズ・ブコウスキーの遺作。ご多分に漏れずタランティーノ大好き少年だった私にとってジャケ買いというか響き買い。パルプ・フィクション同様にパルプ・マガジンをオマージュした作品で、実際は死去直前の94年に出版の小説。
ストーリーはハードボイルド探偵とは名ばかりの駄目男の淡々としたお話。兎も角どぎつい単語の羅列、翻訳版だから原文と比べたらまだまだマイルドな感じなのでしょうか?
代表作には「ありきたりの狂気の物語」や「町でいちばんの美女」などの読みやすい短編集もありますが、ストーリーはこっちの長編は支離滅裂だったように記憶しています。本をほとんど読まない自分にとっては、立派な物語より下らないラップのリリックの様なものに惹かれたのかもしれません。
ちなみに実は買ったというのは正確でなく、私の所蔵物は自分からリクエストして高校の担任の先生から誕生日プレゼントで貰ったもので学習研究社発行95年第1刷の単行本。児童文学研究をされていた女性の先生から貰うには、全くそぐわないジャンルの本でした。すいませんでした先生。