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吉岡雅哉|来し方行く末 Season 2 (Spring '24)

 

作家の最新作を中心に、2000年代以降の過去作を加え、吉岡の描く予測不能な世界の物語をお届けするシリーズ個展、「来し方行く末」第2弾。

2024年3月1日(金) - 17(日) 12:00-19:00 休廊:月曜日

思春期は終わらない

2023年の末に、我々は神戸にある吉岡雅哉のアトリエを訪れました。

入口のシャッターを開け、アトリエの中に入ると、F50号(1167×910mm)と60号(1303×970mm)のキャンバスに描かれた新作の「思春期」三部作が、絵具が未だ乾いていない状態で、壁の少し高い位置に並べられていました。
春の訪れが待ちきれぬかのように戯れる若者たちと、その様子を遠くの方で静かに見つめる和装婦人。連続して描かれたこの3枚の絵を、一つの物語として見たときに、それがどんな物語なのか、各シーンがどのように展開しているのかは、見る人によって全く異なります。それは、作家の現在地であり、見る人それぞれの現在地でもある多元的な世界なのです。
この三部作とともに、本展へ出展する最新作を通じて立ち現れる無数の物語を、会場で見つけて頂きたいと思います。

アトリエには、過去作品も保管されており、今回の訪問で我々は、その大部分を実際に見ることができました。
その作品群の中で我々は、2009年制作の、東京都庁で展示されたという作品に出会いました。
その作品が展示されたのは、都が主催したコンペの受賞者展として開催された吉岡の個展で、当時、都の規制によるものからか、とにかく都の方からは明確な説明もないままに、都が授与したはずの受賞作品が出展リストから外されてしまうという、信じ難い状況の中で開催されました。
かろうじて展示が認められた、我々が今回出会った作品もまた、一度は描いた男女のモチーフに対して都が難色を示したことから、男女を画面から消して出展するという過程を経ていたのでした。
実はこのとき、都のそのような視点からすれば許容できそうにない、あるモチーフが、なぜか検閲を免れ、画面の中に小さく描かれていました。
このモチーフが、吉岡の近作にも繋がっているように見えたことから、「来し方行く末」というテーマに沿う作品であると考え、今展で本作を15年ぶりに展示することといたしました。

本展ではさらに、吉岡雅哉 画集「思春期 '23秋」の発行も会期を合わせ行う予定です。
画集「思春期 '23秋」は、昨年11月に開催したシーズン1の個展内容を集録したもので、異なるメディア上での個展の再演をテーマに、開催後ならではの視点と新たな解釈を織り交ぜつつ編集し制作しております。

シーズン1の個展で発行した画集「思春期 '23夏」に続く刊行となり、2冊とも本展会場にて販売いたします。

嗚呼、今年もまた、春がやってくる。
思春期は、終わらない。

吉岡雅哉

Masaya Yoshioka

日常の景色、出来事、人物を対象に、その影響から生まれたイメージを長年に渡り描き続けている。青の時代、囚人ファイル、お月見、思春期、庭いじり、西海岸、コンビニなど、作中のイメージ・世界観は繰り返し描かれ、完結をみない長編小説のようにシリーズ化している。

◆受賞 トーキョーワンダーウォール賞(2008年)、とよた美術展'07審査員賞(2007年)、シェル美術賞 蔵屋美香審査員奨励賞(2006年)、交換する種 Vol.2 アドバイザー賞(2006年)
◆コレクション

The Jean Pigozzi Collection Of Contemporary Japanese Art

展示・受賞歴

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Previously on "the Past and Future"


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Solo Show
the PAST
and FUTURE
Season1 (Autumn '23)

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吉岡雅哉画集「思春期 '23 秋」

画集「思春期 '23秋」は、23年11月に開催した個展「来し方行く末 シーズン1」の展示内容を集録した画集です。(表紙画像は仮です)

シーズン2の開催に合わせ、個展会場​で発売予定です。

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Solo Show
2011-2023
Prologue (Summer '23)

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吉岡雅哉画集「思春期 '23 夏」

個展「2011-2023」の展示内容を集録した画集です。

異なるメディア上での個展の再演をテーマに、開催後ならではの視点と新たな解釈を織り交ぜつつ編集し制作しております。

​個展会場で引き続き販売いたします。

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